「リスティング広告の成果を改善したい」
「CPAを下げてもっと件数が欲しい」
この記事では、リスティング広告の成果を改善したい方のために、必ず行って欲しい12の施策をご紹介します。
気になる見出しをクリックしてご覧いただくと効率的です。
【目次】
目標設定をする
広告を配信する前に、目標設定をする事はとても大切です。
「とりあえず配信してみよう」でスタートすると十中八九、失敗します。
考えるべきはこの2つです。
・1件の獲得(コンバージョン)にかけられる広告費
・月予算
コンバージョン1件にかける広告費
広告代理店に広告を依頼すると「目標CPAはいくらですか?」と聞かれますが、コンバージョン1件にかけられる広告費のことを指します。
計算例)
■販売価格:20,000円
└ 原価 :3,000円
└ 利益 :5,000円
└ 広告費 :12,000円
例えば、2万円の商品を原価3,000円で製造し、利益を5,000円は確保したい場合、目標CPAは12,000円になります。1件売るために12,000円の広告費を使用することになります。
この目標CPAが18,000円を超えた場合には赤字になります。逆に、8,000円の広告費で1件売れば利益は9,000円ですね。
月予算を決める
目標CPAが決まったら、月に何件売上を確保したいかを考えます。例えば、目標CPAが12,000円で、月に100件売りたい場合には、月予算は120万円になります。
実際に広告を配信してみると、もっと安いCPAで売れたり、逆に競合が強くCPAが高騰する場合もあります。
目標CPA12,000円想定だったものが、CPA10,000円で売れる場合、広告費100万円なら120件売れることになります。
このように、広告の状況に結果が左右されますが、まずは目標CPAと予算を決めることで、PDCAを回すための準備をしましょう。
キーワードの漏れをなくす
自社の商品やサービスを購入してくれるユーザーが検索するキーワードを漏れなく登録することが大切です。
完全一致、フレーズ一致で網羅できるCVクエリ(購入者が検索するキーワード)は、3~4割程度と言われています。つまり、残り6割のコンバージョンを見逃している状態です。
日々刻々とユーザーの検索キーワードは複雑化しており、それに対応するためには部分一致キーワードの登録を行い、見込み顧客に出来る限り目にとめてもらうことがコンバージョン数最大化のコツです。
しかしながら、部分一致は配信クエリの数が圧倒的に増えるためCPAが高騰しやすいです。
そのため、キーワードのマッチタイプでキャンペーンを分けるのも1つの戦略です。
1)完全一致・フレーズ一致キャンペーン
入札:手動入札
⇒ CV実績のあるCVRが高いキーワードについては手動入札で強めの入札を設定し、上部掲載を維持。CV数を担保するキャンペーンとして稼働させます。
2)部分一致キャンペーン
入札:自動入札(コンバージョン数最大化/目標コンバージョン単価)
⇒ 幅広い検索クエリに配信が広がる可能性があるため、自動入札を導入し、上限CPCを設定。機械学習を進め、効率良くCVクエリの幅を広げる。
日予算に余裕を持たせる
例えば、日予算を10,000円と設定している場合で、実際には1日に20,000円程の検索需要があるとします。
しかし10,000円で設定していると、残りの10,000円分の配信が抑制され、機会損失に繋がるだけでなく、広告自体が抑制されて配信されずらい挙動が起こります。
検索需要の量は、配信設定しているキーワードやターゲットの範囲によって決まりますが、広告管理画面で「予算による制限」(Google広告の場合)と表示されている場合には、日予算を上げることをお勧めします。
Yahoo広告ではこうしたシグナルが出ませんが、設定している日予算を超える広告費が発生している場合には、日予算が頭打ちしているため、増額設定することで機会を逃すことはなくなります。
日予算が上げられない場合には、入札価格を下げたり、ターゲットキーワードを絞る、性別・年齢・地域などのセグメントを絞るなどの対応をしましょう。
除外キーワード登録を徹底
配信を開始したら1日1回は検索クエリを確認し、不要なクエリは除外しましょう。
例えば、以下の検索クエリが表示されたとします。
「〇〇(商品名) 口コミ」
「〇〇(商品名) 効果」
「〇〇(商品名) 解約」
「〇〇(商品名) 使い方」
「〇〇(商品名) ログイン」
このクエリのうち「解約」「ログイン」は、すでに購入しているユーザーが検索する可能性が高いため除外します。(購入前に解約方法を調べる慎重なユーザーもいますが)
また「使い方」も購入してから検索するユーザーが多いため除外する方が好ましいです。しばらく様子を見て、CPAが悪い場合には除外する順序でも良いです。
「効果」「口コミ」は、比較検討しているユーザーが検索するクエリですので、数値が悪くない限りは除外しないほうが良いです。
このように、ユーザーの意図を考えながら購入に結び付かない検索クエリを除外しましょう。1日1回は非常に手間ですが、リスティング広告の成果を改善する大きなポイントになります。
広告の導線に一貫性を持たせる
ユーザーは、キーワード検索をしたあと、広告文をクリックして、LP(ランディングページ)の順で誘導されていきます。
この導線の中で「違和感」があると離脱しやすくなりCVRが低下します。
例えば、「〇〇育毛剤 口コミ」と検索してきているユーザーに、「人気育毛剤TOP5の口コミ情報」という広告文でLPに誘導したとします。
しかしLPに肝心な口コミが書かれていなかったり、内容が薄かったりするとユーザーは離脱します。口コミを調べているユーザーは、比較検討の段階ですので、商品の画像や口コミを多数紹介し、購入の意思を決定してもらえる内容にしなければいけません。
離脱率が高い、CVRが低い場合には、入稿キーワードの需要とLP、広告文の内容に一貫性があるかチェックしましょう。
セグメントを絞る
リスティング広告の改善をする上で一番手っ取り早いのが、セグメントを絞ることです。
リスティング広告は、性別、年齢、地域、時間帯、世帯年収、子供の有無などをターゲティングすることができます。
配信していく中でデータが溜まってくると、CPAが悪いポイントが見えてきます。
特に、深夜帯の配信、地方の都道府県についてはCPAが悪くなる傾向がありますので一度チェックしてみましょう。
LPを改善する
LPの改善は目標CPAを達成して安定的に配信できるようになったとしても継続して行うべき施策です。
ファーストビューの文言を少し変えるだけでCVRが1%変わることもざらにあります。
ここでは、LPでチェックしていただきたいポイントを下記に列挙しますのでチェックしてみてください。
スマホでも読みやすくする
現代では、スマートフォンが普及していますので、インターネットユーザーの7割以上がスマホ経由でアクセスしてきます。
BtoB商材の場合は、パソコン経由のアクセスの割合が増えますが、いずれにしてもスマホアクセス最適化は必須です。
・読み込みスピードは遅くないか?
・文字が小さくて読みにくくないか?
・分かりにくい表現はないか?
など、いわゆるユーザービリティのところは、少しでも違和感がある場合には徹底して改善しましょう。
訴求を変える
競合があまりにも強く戦えない場合には、訴求を変えて戦う場所を変える事も1つの手です。
例えば、メンズ向けオールインワンジェルがあるとします。その商品は、医薬部外品で、シミ・シワ・乾燥肌など様々なお肌の悩みのケアをすることができます。
シミ改善訴求は競合が強くCPAが改善できません。そこで、シワ改善でモテ肌!という訴求にしたら、ターゲット層も競合も変わるため、効率良く広告を配信できるようになるかもしれません。
実際に私が請け負っていたメンズオールインワンジェルは、シミ訴求ではCPAが30,000円を超えましたが、シワ訴求では10,000円を下回り件数も順調に拡大していくことができました。
勝てないところでは戦わない。ターゲットや訴求を変えて、勝てるところで戦うことも大切です。
コンバージョンのハードルを下げる
とくに高額商品の場合は、いきなり購入するユーザーはなかなかいません。検討期間の長い商材の場合には、以下のようなコンバージョンポイントを用意し、ユーザーとの接触機会を増やすことがキーになります。
・サンプル申込み
・資料請求
・お問い合わせ
・LINEアカウント登録
・オンライン相談申込
また、高額商品でも、全額返金保証を設けて、まずは「無料で使ってみて下さい。ご満足頂けない場合には、一切費用は発生しません。」という訴求もCVRを改善するコツです。
競合に商品力で負けないこと
そもそも競合商品と比べ、スペック負けしていると売れにくいです。
例えば、効能効果の謳い文句や配合成分、使い勝手など、多くの特徴が似ている美容パックがあるとして、商品Aは初回1,980円。商品Bは初回7,980円の場合、多くのユーザーは商品Aを手に取ります。
Apple製品のように信者がいる、大好きな芸能人が使っているからという、商品スペックではないところで選ぶユーザーと違い、教育されていないユーザーは商品の特徴や価格、使い勝手、アフターサポートなど、商品スペックで選びます。
企業努力のところにはなりますが、常に競合に負けない商品スペックを心がけることもWEB広告においては重要なポイントになります。
フォームを使いやすくする
申込フォームや購入フォームは、ユーザーが今まさに行動を起こすところです。使いにくかったり、分かりにくい場合には途中で離脱してしまいますので、以下ポイントに気を付けて改善をしてください。
・入力項目は極力少なく
・住所は郵便番号を入れれば市区町村まで自動で反映するように
・年齢はプルダウンメニューで入力不要にする
・名前のフリガナは不要
あえて入札を強化する
リスティング広告は検索結果最上部に出すほうがCVRが高い傾向にあります。
もし、インプレッションシェアが低く、広告表示位置が最下部や2ページ目以降になっている場合には、入札を上げて最上部掲載をして検証しましょう。
これは私がコスメ商材で実際に配信した数値になります。
最上部に掲載することで、入札は2倍になりましたが、CVRが1.3%まで飛躍的に改善しているため、CPAは10,000円程改善しています。
キャンペーンを作り直す
LPを改善し、自動化で配信する場合には、新しくキャンペーンを作り直すことをお勧めします。
自動化で配信する場合、過去に配信したデータに基づいて配信されるため、LPを改善しても、過去に数値が悪いキーワードや広告文には配信が抑制されてしまいます。
しかし、LPを改善しているわけですから、過去効果が悪かったキーワードで効率良く獲得できるようになる可能性もあるわけです。
ですから、リスタートするためにキャンペーンを新しく作成してLPの効果改善を見ていきましょう。
※LP改善をしてCVRが改善してくれば、少しづつ配信ボリュームは増えてくる挙動はしますが、スピードが遅いため新規キャン―ペーンのほうが早くPDCAを回せます。
アトリビューションモデルを減衰に変更
アトリビューションとは、コンバージョンに貢献しているキーワードに貢献度を割り振る方法になります。
通常の設定ですと「ラストクリック」で設定されています。これは、最終的にコンバージョンに至ったキーワードに対してのみ貢献度が割り振られます。つまり、広告管理画面では、特定の1つのキーワードにCVが1件付くことになります。
しかしながら、ユーザーは様々なキーワードで検索して購入に至りますから、コンバージョンに至る過程での検索キーワードにも貢献度を割り振ることで、自動化を導入しても配信が抑制されずらくなり、コンバージョン数を最大化し、広告の改善に繋がる可能性があります。
アカウント構造を見直す
リスティング広告では、AI技術が発達してきているため、出来る限りキャンペーンや広告グループを少なくし、シンプルな構造にすることが推奨されています。
とは言っても、すべてのキーワード、広告文をひとまとめにすることはお勧めしません。
なぜなら、自動化を導入すると、キャンペーン単位での全体数値でも広告の評価を行っているため、ある特定のキーワードが広告効果を大幅に悪化させてる場合には、全体のキーワードの配信も抑制され機会損失が起こります。
ですから「訴求別」にキャンペーンを分けると良いです。
例えば、美容液のアカウント構造の一例を紹介します。
このように、訴求によってキーワード群をグループ分けして、それに対応した最適な広告文を入稿すると、PDCAが回しやすくなります。
最後に
リスティング広告の改善方法に答えはありません。しかし、これだけは絶対にチェックすべきポイントを今回ご紹介させて頂きました。運用されているアカウントに是非活かしてください。
広告アカウント診断、運用代行のご相談も承っております。お気軽にご連絡頂ければと思います。
ありがとうございました。